はじめに:不動産一括査定って怪しくない?ぶっちゃけどうなの?
こんにちは!元ハウスメーカー営業で宅建士・FP2級のOKUです。
今回は、お客様との会話形式で「不動産一括査定」についてお話しします。
査定を受ける側だけでなく、受ける会社側の事情にも触れる「ぶっちゃけ話」も、この記事ではお伝えします。
💡 この記事を読むとわかること
- 不動産一括査定の仕組みと、なぜ無料で使えるのか
- 使うメリット3つと、「営業電話」というデメリットへの対処法
- 査定額の「高い・低い」だけで会社を決めてはいけない理由
- 後悔しない3つの判断基準

「OKUさん、家を売ることを考え始めたんですけど、『一括査定』ってちょっと怪しくないですか?申し込んだら電話がたくさん来るって聞いて……」

「最近そういった広告も増えてきてますし、その不安、すごくよくわかります。
結論から言うと、一括査定は、仕組みを知って使えば、売主さんの味方になる便利な道具です。ただし、知らずに使うと、ストレスや後悔につながることもあります」
この記事のゴールは、「使うべきか、やめるべきか」を、あなた自身が判断できるようになることです。
そもそも「不動産一括査定」とは?仕組みをプロが解説
1回の入力で複数社に査定依頼ができる

「そもそも、一括査定って、どういうものなんですか?」

「ひとことで言うと、ネット上のフォームに家の情報を1回入力するだけで、複数の不動産会社に、まとめて査定を依頼できるサービスです」
流れは、だいたい次のとおりです。
- サイトで、物件の所在地・面積・築年数などを入力する
- 自分の連絡先(名前・電話番号・メールなど)を入力する
- 対応できる不動産会社が表示されるので、依頼する会社を選ぶ(自動で決まるサイトもあります)
- 各社が、入力情報や周辺の取引事例などをもとに査定額を出して、連絡してくる

「ここで出てくる最初の査定は、現地を見ずに情報だけで出す『机上査定(簡易査定)』が基本です。家の中や周りの様子まで見て出す『訪問査定』は、その次のステップになります。」

「じゃあ、最初の金額は、あくまで目安なんですね。」

「そうです。ここは大事なので、あとでもう一度お話ししますね」
なぜ無料で利用できるの?(仕組みの裏側)

「でも、無料って、逆に怪しくないですか? どこかでお金を取られるんじゃ……」

「いい疑問です。無料の理由を知っておくと、一括査定の見え方がガラッと変わります。ここは、一般的な仕組みをお話ししますね」
一般的に、一括査定サイトの運営会社は、利用者ではなく、提携している不動産会社から収益を得ています。 たとえば、次のような形です。
- 不動産会社が、サイトに掲載料・月額利用料を払う
- 利用者を紹介してもらったときに、紹介料を払う
不動産会社は、なぜお金を払ってまで参加するのか。それは、売主さんと出会って、売却を任せてもらえれば(媒介契約)、売却が成立したときに「仲介手数料」という成功報酬を受け取れるからです。つまり、不動産会社にとって、査定は「将来のお客様を見つけるための営業活動(広告費)」なんです。

「なるほど。じゃあ、私が払うお金は……」

「査定を受けるだけなら、費用はかかりません。お金が発生するのは、一般的には、実際に売却が成立して、仲介手数料を払うときです。ただ、ここで営業側の事情も知っておいてほしいんです」
📌 ぶっちゃけ話
不動産会社にとって、査定は「売主さんに選んでもらうための、最初の勝負」です。だから、少しでも他社より良い印象を持ってもらおうと、早く連絡する会社や、強気な金額を出す会社が出てくることがあります。これは、仕組み上、起こりやすいことです。
【OKU追記欄】
実際私が営業時代も、提携していた不動産会社が強気に価格査定をしたうえで、まずは契約を勝ち取り、そこから現地調査で価格が落ちていくというものも見てきました。
そのため、「なぜこの価格になるのか」ということを契約前にしっかり聞いておくことが大切になります。
元営業が教える!不動産一括査定の「3つの大きなメリット」
メリット① 相場が分かり、安く買い叩かれるのを防げる

「1社だけに聞くんじゃ、だめなんですか?」

「1社だけだと、出てきた金額が、高いのか低いのか、判断のしようがないんです」
たとえば、1社だけ査定して「2,800万円くらいですね」と言われても、周りの相場が3,200万円だったら、気づかないまま安く売り出してしまうかもしれません。複数の会社の金額を並べると、「だいたいこの範囲」という相場の感覚がつかめます。
そして、相場を知っていれば、あとで交渉の場面になったときに、「その金額の根拠は?」と、落ち着いて聞くことができます。
メリット② 営業マン(担当者)の質を比較できる

「実は、一括査定の本当の価値は、金額より、担当者を比べられることだと私は思っています。」
比べるポイントは、たとえば次のようなものです。
- 連絡は、早く、丁寧か(早すぎて、しつこいのはまた別の話です)
- 査定額の根拠を、わかりやすく説明してくれるか
- こちらの質問に、誠実に答えてくれるか(都合の悪いことも含めて)
- 売主の希望を聞いたうえで、提案してくれるか

「金額だけじゃなくて、人を見るんですね!」

「そうなんです。査定は、不動産会社を選ぶための『面接』だと思ってください!
自分が面接官になった気持ちで受ければ気持ちもラクですよ。」
メリット③ 自宅にいながら一歩を踏み出せる

「不動産屋さんに、いきなり行くのって、ちょっと勇気がいりますよね……」

そう感じる方は多いです。『まだ売ると決めたわけじゃないのに、店に入っていいのかな』って。一括査定なら、自宅で、夜中でも、パジャマのままでも、最初の一歩が踏み出せます。」
最近は、匿名で使えるAI査定など、個人情報を入れずに、まず相場だけを知れるサービスもあります。「連絡が来るのは、ちょっと……」という人は、そこから始める選択肢もあります。(※サービスの内容は、それぞれの公式サイトで確認してください)
知っておくべき「デメリット」と、営業電話の対処法
査定後に電話やメールが来る理由

「やっぱり気になるのは、電話です。本当に、たくさんかかってくるんですか?」

「会社によっては、かかってきます。理由は、さきほどお話しした仕組みです。」
一括査定では、複数の会社が、同じ売主さんを狙っています。そのため、「他社より先に連絡したい」という競争の意識が働きます。依頼する会社が多いほど、連絡も増えます。

「営業側から見ると、早く連絡して、最初に会う約束を取るのが、選ばれるための近道なんです。だから、依頼してすぐに電話が来ることが多いんですよね。」
📌ぶっちゃけ話②
実際のところ、私が営業を始めたての頃は本当に電話ばかりしておりました・・笑
今は時代的にもどうなのかはわかりませんが、上司とお客様の板挟みでかなり精神的にキツかった思い出です。笑
でも、しっかり電話が嫌ですとお伝えしていただければ、それ以降電話もしませんし、それ以降も電話が続く場合、着信拒否をしてしまいましょう!
【対策】備考欄や依頼時の工夫でストレスを減らすコツ

「じゃあ、どうしたらストレスを減らせますか?
まだまだ心配事ばかりで・・・💦」

「依頼する前の工夫と、電話が来たあとの対処に分けてお話ししますね。」
📌依頼する前にできること
- 依頼する会社を絞る:むやみに全社を選ばず、3〜5社程度から始める。数が多いほど、電話も増え、整理もしづらくなります
- 備考欄で希望を伝える:備考欄などがあれば、「連絡はメールを希望します」「平日の18時以降に連絡をお願いします」と書いておく。ただし、希望どおりにならない場合もあります
- 電話に出やすいタイミングで申し込む:仕事中や運転中を避けて、落ち着いて出られる時間帯に依頼する
- 匿名の査定から始める:まず相場だけ知りたいなら、個人情報を入れないタイプを使う
📌電話が来たあとの対処

「ここは、知っておくと気持ちがラクになることをお話しします。宅建業法では、売る意思がないと明確に伝えた人への、再度の勧誘(再勧誘)が禁止されています。それと、夜遅くや朝早くなど、迷惑になる時間帯の営業電話も、不適切とされています。」
(※一般的に、午後9時から午前8時までの間は不適切と言われています)
つまり、次のような対処が有効です。
- 断りたい会社には、「今回は見送ります。連絡は不要です」と、はっきり伝える
- それでも、しつこく連絡が来る場合は、着信拒否を使う

「断っても、いいんですね。なんとなく、悪い気がして出られなくて……」

「断るのは、まったく失礼ではありません。むしろ、はっきり伝えるほうが、お互いに時間の無駄がなくなります。ただし、『売る意思はないけれど、もう少し考えたい』のようなあいまいな言い方だと、連絡が続くことがあります。迷ったときは、『現時点では見送ります』と、具体的に伝えるのがおすすめです!」
後悔しない!一括査定サイトを使いこなす「3つの判断基準」
判断基準① 大手と地域密着の両方をバランスよく選ぶ

「会社は、大手を選んだほうが、安心ですか?やっぱり地方の査定会社は知名度がなくてどうなのかなって・・」

「大手にも、地域密着の会社にも、それぞれ強みがあります。どちらか一方に偏らないのが、いちばんです。」


「もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。一般的に、一括査定サイトに登録している会社は、大手〜中堅が中心だと言われていて、サイトによっては、地元で評判の会社が入っていないこともあります。

「じゃあ、サイトだけで探すと、見落としが出ることもあるんですね。」

「その通りです。一括査定で大手〜中堅を数社、さらに地元で気になる会社を1社、自分で直接問い合わせる。この組み合わせが、バランスの取れたやり方だと思います。」
判断基準② 「最高額」だけで不動産会社を決めない

「いちばん高い金額を出してくれた会社に、お願いすればいいんですよね?会社ごとにどこで比較するべきかわからなくて、金額面でしか比較対象って・・・💦」

「そこが、いちばん気をつけてほしいところです。査定額は、『この金額で、必ず売れる』という保証ではありません。あくまで、『このくらいで売れそう』という、会社の予想です」
先ほどお話しした営業側の事情を思い出してください。
媒介契約を取りたくて、強気の金額を出す会社が、いないとは言い切れません。そして、高い金額で売り出したのに、なかなか売れず、あとから値下げを重ねるというパターンは、売却でよく言われることです。

「じゃあ、何を見て選べばいいんでしょう?💦」

「見てほしいのは、金額の根拠です。実は、宅建業法では、不動産会社が売却価格について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと決まっています。その根拠としては、同じような物件の取引事例などが求められます。」
💡 査定額の「根拠」を聞くときの質問
- この金額は、どの取引事例をもとにしていますか?
- 事例は、いつ頃の取引で、どのくらい似た物件ですか?
- 強気の売り出し価格と、成約しやすい価格は、それぞれいくらくらいですか?
- この金額で売り出した場合、どのくらいの期間で売れる見込みですか?
- 値下げをする場合は、どのタイミングで、どのくらいを想定していますか?

「ちゃんと答えてくれて、良いことだけでなく、リスクも説明してくれる担当者は、信頼しやすいです。」
🏠️【モデルケース】3社の査定額をどう見る?
これは、説明のために作った仮のケースで、実際の事例ではありません。


「金額だけ見ると、A社が一番高いですよね。でも、根拠や説明を見ると、B社のほうが、現実的で信頼しやすいかもしれません。もちろん、これは仮の話で、最終的には、あなたの判断です。しかし、現実的にこういった実例は多くありました。」
※売却の契約の種類(専任媒介・一般媒介など)の違いは、別の記事で詳しく解説しています。
判断基準③ 売る時期が未定なら「相場を知る目的」と伝える

まだ、売ると決めたわけじゃないんです。相続した実家かもしれないし、数年後かもしれなくて……。そういう場合でも、使っていいんですか?」

「使って大丈夫です。ただし、『いつ売るか』『なぜ査定するか』は、正直に伝えたほうがいいです。」
不動産会社は、売却の時期が近い売主さんほど、優先して連絡する傾向があります。時期が未定なのに、そのことを伝えないと、「すぐ売る人」と思われて、営業が強くなることがあります。
そこで、備考欄や最初の電話で、次のように伝えておきましょう。
- 「売却時期は未定で、まずは相場を知りたいです」
- 「〇年後に売ることを考えていて、情報収集の段階です」
- 「今回は査定額の目安だけ教えてください」

「売る気がないって言ったら、失礼じゃないんですか?💦」

「正直な目的を伝えるのは、失礼ではありません。むしろ、お互いに、ムダなやり取りが減ります。誠実な会社なら、その目的に合わせて、対応してくれるはずです。」
まとめ:最初の一歩を踏み出すなら、まずは自分の家の価値を知ることから
- 一括査定は、1回の入力で、複数の不動産会社に査定を依頼できるサービス。査定自体は無料で、費用が発生するのは、一般的には売却が成立したとき(仲介手数料)
- メリットは、
①相場がわかる
②担当者を比べられる
③自宅から一歩を踏み出せる - デメリットは、営業の連絡。依頼する会社を絞る、備考欄で希望を伝える、断る意思をはっきり伝える、で対処できる。
- 判断基準は3つ。
①大手と地域密着のバランス
②最高額だけで決めない(根拠を聞く)
③売る時期が未定なら、正直に伝える

「なんだか、一括査定のイメージが変わりました。営業側の事情を知っておくだけで、落ち着いて向き合えそうです!」

「それが、いちばんの収穫です。査定は、家の価値を知る入り口であり、不動産会社を選ぶ面接でもあります。売る・売らないを決める前の、情報収集として使ってもらって大丈夫ですよ。」
最初の一歩は、まず、自分の家の価値を知ることから。この記事が、あなたが損をせずに、納得して前に進むための材料になれば嬉しいです。
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最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
⇩不動産査定を行う前の最終チェックリストを記載しておきます!是非お使いください。

参考にした情報(出典)
- 不動産適正取引推進機構(SMTRC)「宅地建物の売却の媒介における『媒介価額』とは何か」(宅建業法第34条の2第2項:価額に意見を述べるときの根拠の明示義務) https://smtrc.jp/useful/knowledge/sellbuy-law/2022_08.html
- 三井のリハウス「不動産売却のしつこい営業電話の対処法」(再勧誘の禁止、迷惑な時間帯の営業電話について) https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/at/at_0390/
- クレックスグループ「不動産査定サイトの仕組み(なぜ無料か)」(紹介料・掲載料と、仲介手数料の関係) https://crexgroup.com/ja/fudosan-satei/?p=203
- All About「不動産売却『一括査定』の仕組みと使い方」(2013年更新。掲載会社の傾向や、依頼社数と連絡の関係。情報が古い可能性があります) https://allabout.co.jp/gm/gc/409057/



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